製造工程

製造工程

1.木地作り

木地造りでは1年以上自然乾燥された檜または杉が使われ、ほぞ組加工で造られます。障子は縦組子、横組子それぞれに切込みを入れて組み込み、表組子、裏組子の2枚造りです。木地作りは仏壇の製造工程で基礎にあたる工程で仏壇全体を形作ります。長年の修行で研ぎ澄まされた勘と技のもとに、一つ一つの部品が丹念に作り上げられていきます。木地のそれぞれが完成しますと一度組み立てて漆の塗り代や全体のバランスを確認します。これを仮組といい、このあとそれぞれの部品を次の工程へ回します。

ほぞ組加工ほぞ組加工
障子(組子)組子で障子を制作しているところ
仮組仮組

2.屋根作り

屋根造りでは仏壇の屋根と柱を作り、この二つを組み合わせて宮殿くうでんと呼びます。屋根の桝組ますぐみの工程では細かい肘木に大小の桝を組み合わせて作っていきます。こうして組みあがった桝組の部品をさらに何段にも重ね合わせて屋根を作ります。屋根造りではこうした虹梁こうりょうのほかに破風はふなどの模様を刻みます。屋根は西本願寺派は藁葺きを模した一重破風屋根、 東本願寺派は瓦葺きを模した二重屋根が特徴です。

桝組桝組
桝組桝組
屋根完成屋根完成

3.須弥壇作り

須弥壇しゅみだんは仏壇の中央に位置し、須弥山しゅみせんを表わしたもので仏像を安置します。須弥壇造りには直線や曲線を組み合わせた美しい仕上げで、バランスのとれた造りが要求されます。繰り物加工では小割りした材料に何種類もの小刀を使い、丁寧に模様が彫り込まれます。そのほか須弥壇造りでは勾欄こうらん礼盤らいはん、前卓も作ります。

繰り物加工繰り物加工
勾欄(こうらん)勾欄(こうらん)

4.彫刻

彫刻には一枚板を彫りぬく籠彫り、彫り残して元に戻す欠き彫り、人物、花鳥などを個々に彫り地板に接着するつけ彫り、2.3枚の板に彫刻して重ね組する、重ね彫りなどの技法があります。それぞれの技法で彫られた仕上がりは立体感があり、華やかで美しく重量感を感じさせます。こうして出来上がった彫刻に漆や金箔を押し、彩色が施され仕上げられます。

欠き彫り欠き彫り

5.漆塗り

漆塗りには立塗と呂色の2種類の技法があります。呂色塗りの工程では、和紙張り、胡粉付け、砥の粉とのこ引きの下地工程です。砥石で入念に表面を研ぎ平らにします。漆塗りは塗った膜の均一化が非常に難しく、漆の調整を慎重に行います。漆は中塗り、上塗りを行いその都度室入れをし乾燥させます。

紙貼り紙貼り
炭研ぎ炭研ぎ
上塗り上塗り

6.呂色磨き

呂色磨きでは漆塗りの光沢をよくするため、炭研ぎ、胴摺り磨き、生漆摺り、鹿の角粉磨きを入念に行います。生漆摺り、鹿の角粉磨きの工程は2.3回繰り返し行います。鹿の角粉磨きでは道具を使わず、手のひらと指で入念に磨きます。これらの呂色磨きの工程によって漆塗りの奥深い黒の光沢が得られます。

鹿の角粉 磨き鹿の角粉 磨き

7.蒔絵

蒔絵には高蒔絵、平蒔絵、箔下蒔絵の3種類の技法があります。高蒔絵は錆で高く盛り上げ乾燥させた後、その上に漆で図柄を描き金粉を撒きます。図柄は花鳥の図、山水の図そのほかざまざまな図があります。特に高蒔絵で描かれる金物型は大阪仏壇独特のものです。

高蒔絵高蒔絵
金物型高蒔絵金物型高蒔絵
錆で高く盛り上げているところ錆で高く盛り上げているところ

8.金箔押し

箔移しは大阪仏壇独特の工程で箔紙に軽く金箔を付着させて選別を行い、同時に金箔の扱いを容易にするものです。箔押しには光押し、つや消し押し、拭いの3つの技法があります。つや消し押しは光沢の消えた金箔押しで、生漆を均一に摺り込みムラなく拭き上げてます。金箔を押した後真綿でしわを伸ばして仕上げます。拭いは金箔を押した上に生漆を塗り金粉を撒きつけ室で乾燥します。金箔と金粉がかもしだすより重厚な輝きが特徴です。

欄間への金箔押し欄間への金箔押し
金箔押し金箔押し

9.彩色

彩色には隈取くまとり彩色、繧繝うんげん彩色、木地彩色お3種類の技法があります。隈取彩色は天井、欄間その他の仏壇内部の彫刻に施され立体感を持たせるための技法です。顔料とにかわを練り合せた何種類もの絵の具を使い、筆で丹念に塗っていきます。金泥描きとは膠を金粉で溶いた金泥きんれいを筆に含ませ隈取彩色を施した上に金の糸模様を細密に描写していくことです。彩色をより豪華に飾ります。宮殿の柱などには繧繝彩色が施されます。

金泥金泥
繧繝(うんげん)彩色繧繝(うんげん)彩色

10.錺金具

錺金具かざりかなぐは仏壇の扉中央にある金具が主なもので八双金具とよばれ、材料は銅または真鍮です。まず墨で型付けをした材料に鋼で模様の彫りを入れます。型抜きまですべての工程を鋼で打ち抜きます。ゆがみを直し面取り仕上げをします。丁番の管巻きも木槌だけで仕上げます。大阪仏壇ではこうした錺金具に煮付け液で独特の宣徳仕上げが施されなんとも言えない色合いと輝きが仏壇を飾ります。

彫り入れ彫り入れ
管巻き加工管巻き加工

11.組立

組立では分業で作られたそれぞれの部品を順序良く組み立てます。塗りや金箔のはがれや、接着剤のはみ出し、さらには細かい部品の完全な仕上がりを点検しながら慎重に組み立てていきます。伝統技術に支えられた絢爛豪華な伝統的工芸品「大阪仏壇」の完成です。

2016/07/08